変わりゆく最新の婚活事情についてFUTARI START GUIDE

 恋愛や結婚に繋がる出会いの場のバリエーションが広がる中、自分に合った婚活のスタイルを選択することが理想的なパートナーに出会う近道になるのではないでしょうか。

 そこで、結婚、家庭と仕事のバランスを計画したい女性から絶大な支持を受けている婚活コンサルタントの松尾知枝さんが考える、最新の婚活事情と自分自身を魅力的に伝える術、結婚するためのステップ論などを連載形式でご紹介いたします。

 第1回目のテーマは「変わりゆく最新の婚活事情について」です。

 私はこれまで、1人でも多くの結婚を希望する方に、幸せな結婚をしてほしいと思い、1万人以上の男女やカップルに恋愛のアドバイスと出会いの場を提供してきました。

 ライフスタイルの多様化が進み、結婚に対する価値観も変わってきた時代だからこそ、結婚を希望する方々が自分にあった婚活の方法やコミュニケーションについて考え、自分にとっての理想的な結婚の形を見つけたり、理想的な相手に出会うきっかけとなる1歩を踏み出すことを望んでいます。

最新の婚活の特徴について

 婚活実態調査2019(リクルートブライダル総研調べ)によると、20〜40代独身男女の約7割強の方が「現在、恋人がいない」と回答し、その理由として、男女ともに「出会いがないから」「どこで出会えばいいのか分からない」という回答でした。では恋人がいる2割弱の人は、どこでどのように出会いを見つけているのでしょうか。

 国立社会保障・人口問題研究所の『第15回出生動向基本調査』と『結婚と出産に関する全国調査』によると、お見合い結婚は全体の5%程度であり、未婚者の多くが恋愛を経て結婚しています。

自然な形で出会って交際する男女が7割

 出会いの場を調べてみると自然な形での出会い(学校・友人兄弟姉妹の縁・職場や仕事)が約7割を占める結果になりました。「学校で出会った」が男性では 27.7%、女性では23.7%と最も多く、「友人・兄弟姉妹を通じて出会った」(男性20.6%、女性20.9%)と 「職場や仕事で出会った」(男性18.6%、女性21.5%)がこれに続き、この上位3つで約7割を占めています。(出典:「第15回出生基本動向調査(2015年)」)

 つまり、自分の身近にある人間関係の中で出会いを見つけている男女が大半のようです。しかし今後は以下の理由から、徐々にこの流れが変わっていくのではないかと思っています。

職場での出会いの減少傾向

 前述の第15回出生基本動向調査(2015年)では、男女とも約2割が「職場や仕事で出会った」と回答しています。社会人である未婚者にとって、もっとも身近な出会いの場になるのは、1日の大半を費やす職場を通じての出会いではないでしょうか。職場の人とは毎日顔を合わせますし、共に過ごす時間も長いため、年収や趣味、生活スタイル、食事の好み、仕事のやり方や人との関わり方など、相手のことをじっくりと時間をかけて知ることができます。そこから安心感や信頼感が生まれ、交際につながるのだと思われます。なお、この調査によれば、出会ってから結婚するまでの平均交際期間は約4年だそうです。

 しかし私は、今後、職場での出会いは減っていくのではないかと思っています。私にご相談いただく方の悩みからも、職場での恋愛について慎重にならざるをえない様子が見て取れます。その1つ目はコンプライアンスの強化による職場環境の変化です。ここ数年でコンプライアンスやハラスメント予防の強化の影響で、例えばバレンタインの義理チョコを禁止する、男女2人でタクシーに乗ってはいけない、社員同士でプライベートな連絡先を交換してはいけないなど、トラブルを招きかねない事項をあらかじめ回避するケースが増えてきています。こうしたルールをしっかり守ろうとすればするほど、職場の人と距離を縮めて親密な関係になるハードルは高くなったと言わざるを得ません。

 そしてもう1つの変化は、社内恋愛をすることへの心理的な負担感です。先ほど、社内であれば時間をかけてじっくり相手を観察できるのが利点だとお伝えしましたが、関係がうまく行かなくなった時も引き続き、毎日顔を合わせ、関係を続けなければならないという気まずさや、他の社員に交際が知られてしまった時のリスクなどを天秤にかけると、最初からリスクを遠ざけて、公私の人間関係を分けたいと思う人が増えてきているようです。実際に私に婚活の相談にきた女性の方からも、「職場に素敵な人はいるが、プライベートと職場は切り離したい。別れたときにキャリアに影響するのは嫌」と話していました。

婚活サービスを利用する人が増加傾向

 職場やビジネスの場での出会いが減る中、今後、出会いの場として利用する人が増えていくのは、婚活サービスだと思います。実際に、2018年に婚活サービスを通じて結婚した人は12.7%(婚活実態調査2019/リクルートブライダル総研調べ)と過去最高に上りました。この調査によると、結婚する人の約8人に1人は婚活サービスを利用して結婚しているということになります。

 各婚活サービスの内訳を見てみますと、以下のようになりました。2013年からネット婚活の割合が一番多くなり、以後その傾向が強まっています。また、今年私が独自に行ったインターネット調査でも2018年の調査結果とほぼ同じ割合になりました。

(婚活実態調査2019/リクルートブライダル総研調べ)

 ネット婚活の需要は、「忙しくても出会いを探したい」と思う未婚者のニーズに応える形で、今後ますます増えていくのではないかと思います。婚活サイト・マッチングアプリの充実に加えて、20代・30代にとってスマートフォンは生活の一部であり、SNSでのコミュニケーションに慣れていることも利用が増える一因になると考えられます。

 しかし、従来のお見合いや結婚相談所、婚活パーティーなどは、ネット上の出会いに心理的抵抗感がある方や婚活中の悩みを対面で相談したい方などに、引き続き根強い人気がありますので、ネット婚活の登場は新たな選択肢が加わったと考えるとよいと思います。

どこで出会うかといったストーリー性を大切にしたい声も

 一方、いつでも自分の好きな時に始められるインターネットを活用した効率的な出会いとは違い、『自然な出会い』を望むという声も数多くあります。

 『自然な出会い』を望む男女に人気なのは、出会いの要素に加え、例えばバーベキューやホームパーティー、共通の趣味の集まり、スポーツなど、何かを楽しむことを目的としている、イベント性、エンターテインメント性の高い集まりです。

 こうした集まりは、出会いを前面に押し出していないため、婚活に慣れていない人にとっても心理的に参加しやすくなっています。また、ただ時間を共に過ごすだけでなく、お互いが興味を持つ企画を楽しむ形なので、共通の話題が生まれやすく、結果としていいコミュニケーションが育まれやすくなります。出会いがあってもなくても楽しい体験として思い出に残るのでムダにはならないというところも参加のハードルを下げているポイントでしょう。

最近では、朝活や読書会、トライアスロンなどを通じて出会ったという声を聞きます。自分の興味のある分野のイベントや集まりがあるかどうか検索してみるというのもいいかもしれません。

今回は、最新の婚活事情について、ご紹介させていただきました。第2回のテーマは、「自分自身を魅力的に伝える術」です。読んだらすぐに使える婚活におけるコミュニケーションのポイントを松尾さんから解説いただきます。

松尾 知枝(まつお ちえ)/1980年生まれ/婚活コンサルタント
大学卒業後、客室乗務員を経て、2011年、女性向けのライフデザイン構築スクール「Precious 美女塾」を開設。著書に「3か月でベストパートナーと結婚する方法」 (かんき出版)「3 年以内に成功する男、消える男」 (フォレスト出版)など。

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