昨今、働き方改革や生産性向上を目指すため、ウェブビデオ通話を利用した会議やセミナーなどが増えてきました。さらには、仕事だけでなく「飲み会」や「帰省」などにも活用する人が増え、離れた場所にいる恋人や友人、家族とのコミュニケーション手段として一役買っています。
このウェブビデオ通話を婚活の手段として取り入れたのが「オンライン婚活」です。実際に会って話すお見合いよりも、自分のペースで会話を進めることができる点などが魅力で、「オンライン婚活」に特化した婚活支援サイトやサービスも登場しています。
「オンライン婚活」を上手に利用することで、たくさんの出会いの機会が設けられ、気の合うパートナーに巡り合う可能性がより高くなります。
モニター越しにコミュニケーションを取る「オンライン婚活」の魅力は、移動時間やデート費用を節約でき、何よりも自分自身の好きなタイミングで始めることが可能という手軽さにあります。登録についてもオンラインなので来店する必要がなく、スマホでユーザーの写真やプロフィールを入力すれば手軽に利用することができます。また、たとえ、複数の人が同時参加する「オンライン婚活パーティー」であっても、誰もが並列で公平な距離感を保ちつつ会話をすすめることができるため、積極的に声をかけるのが苦手な人や大勢でわいわいと盛り上がるのが得意でないという人も、比較的プレッシャーを感じることなく婚活に臨むことができます。
一方で、ビデオ通話なので、相手の雰囲気を感じにくい、会話のなかでのちょっとした間や気配など細やかな様子が伝わりづらいなどといったデメリットがあります。実際に会うとカメラを通して受けていた印象とのギャップを感じることもあるでしょう。また、コミュニケーションが取りづらいと感じることもあるかもしれません。
さて、効率良く相手に出会えて気軽に参加できるという利点のある「オンライン婚活」ですが、ネットに不慣れでは始められません。また、自宅だからといって、まるっきり普段通りというわけにもいきません。ご縁を逃さないためにも、より良いネット環境で臨みたいものです。「オンライン婚活」にはオンラインならではの心得があります。
用意しければならない設備は登録した婚活支援サイトやサービスによっても異なりますが、ウェブや電波状況などネット環境の準備のほか、専用ソフト（アプリ）とウェブカメラ、マイク は「オンライン婚活」の必需品です。
専用ソフト（アプリ）
一般的に婚活支援サイトやサービスでは、それぞれ指定（推薦）する「オンライン婚活」用のソフトやアプリがあり、入会時にはセットアップの方法等について説明があるはずです。準備のためのフォローやサポートが充実している婚活支援サイトやサービスを選ぶと安心です。
ウェブカメラ
スマホやパソコンに内蔵されたカメラを利用することもできますが、より高画質で鮮明な画像にしたい場合は、外付けのカメラを購入すると良いかもしれません。画像がブレると相手に不快感を与えますので、スマホやカメラの位置は固定しましょう。外付けのカメラを購入する場合は、自動ブレ補正つきのカメラを選ぶと画像が安定します。
マイク
最近はマイクが内蔵されているウェブカメラが主流ですが、より音質の良さを追求するならば独立したPCマイクを利用してもいいかもしれません。PCマイクには「据え置き型」と「ハンズフリー型」、「平置き型」とあります。相手に対して音声が鮮明に伝わりやすいのは、ご自身で装着できる「ハンズフリー型」のピンマイクタイプやヘッドセットタイプなどがお薦めです。
見た目の印象が大切な「オンライン婚活」においてモニター映りの悪さは致命的。照明やカメラ位置、画像の調整を事前に確認しておくことが大事です。
明るさと顔色
なるべく部屋を明るくして参加しましょう。部屋の照明だけでは足りない場合は、昼間ならば窓際で自然光を入れる、または、デスクライトで明るさをプラスさせましょう。逆光にならないように前から光を当てられる調光式のLEDスタンドライトかLEDクリップライトを用意すると便利です。温かみのある感じに映りたいのであれば暖色系を、シャープにキリリとした感じに映りたいのならば寒色系の光を試してみましょう。
女性はチークやリップなどをしっかりメイクすると、顔色をよく見せることができます。モニター越しでは思った以上に顔色が悪く見えるため、ベージュ系やブラウン系のメイクは避け、血色が良く見えるレッド系がおススメです。
カメラ位置
カメラは顔よりも下に設定しない方が良いでしょう。カメラは目線の正面、もしくは少し上に置くと輪郭がシャープに映り好印象です。反対に、顔を下から映すと輪郭が弛んで映り、老けた印象になるため「オンライン婚活」においては、カメラを“のぞき込まない”、カメラに“寄りすぎない”が鉄則です。
モニターの調整
ブレの解消など、モニターの調整はしっかりとしておきましょう。また、肌映りを良くしてくれる補正機能を供えたアプリやカメラがあるので活用するのも良いかもしれません。
「オンライン婚活」では、背景もとても重要です。汚い部屋が見えると雑多な印象をもたれてしまいます。一方で、背後に置かれた小物やインテリアなどでセンスの良さをアピールすることもできます。さりげなく趣味を伝える効果や、会話のきっかけにもなるので工夫しながらセットアップしましょう。
ちなみに、部屋を相手に見せたくない場合は、映像内の人物のシルエットを認識し、人物と背景画像を合成できる機能をそなえたウェブカメラやサービスを活用するのも良いかもしれません。
手軽に始められる「オンライン婚活」ですが、婚活支援サイトやサービスを利用をする際には、登録した婚活支援サイトやサービスは信用できる事業者が実施しているものかを確認してください。個人情報の保護など安全対策を講じているか？、相談窓口を設けているか？、退会後の個人情報の取り扱いはどうなっているか？なども予め確認しておきましょう。
そして、登録後は個人情報の扱いには十分に注意し、安易に個人が特定できる情報を公開しないことが大切です。「不用意に自宅や職場の場所を教えない」、「ビデオの背景に個人情報が特定できるものを置かない」など細心の注意を払った慎重な行動が必要です。特に「オンライン婚活」の場合は、背景に映った窓の外の風景で場所が特定されてしまう可能性もあるのでご注意ください。
オンラインサービスのトラブルに詳しい国民生活センターの担当者は、「利用者に『サクラ』が紛れ込んで、使用しているオンラインサービスとは別の出会い系サイトに誘導しようとすることがあるので注意が必要です」と話します。連絡を断とうとしても言葉たくみに引き延ばそうとするのが特徴です。別のサイトに誘導しようとする、クレジットカードの番号を聞いてくるなど、不審に思ったら、最寄りの消費生活センターをご案内する全国共通の消費者ホットライン『188』などに電話してください。
いかがでしたか？ 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ調べ「婚活実態調査2019（リクルートブライダル総研調べ）」によると、独身者の約4人に1人は婚活サービスを利用した経験があり、その中でも、インターネット系婚活サービス（オンライン婚活）の利用者が急激に増えているそうです。
そのような流れのなか、例えば、マッチングアプリ×ウェブビデオ通話といったようなサービスを提供する「オンライン婚活」も徐々に一般的になり、今後、婚活のひとつのあり方として定着していくかも知れません。