サポートし合い、互いのキャリアを大切にするふたりTOKYO FUTARI

高橋佑樹さん(32歳)(仮名) 千佳さん(29歳)(仮名) 長男(2歳)

交際時から「一緒に成長しよう」と約束

 ふたりが出会った頃、千佳さんはデザイナーを夢見る美大生でした。「将来は自分を表現できる仕事をしたい」と創作に意欲を燃やす姿に惹かれた佑樹さんは、自らの夫婦観とキャリア観をこう話しました。
 「結婚や出産をしても、やりたいことを諦めないで。自分らしく挑戦を続け、一緒に成長しよう」
 共働き家庭で育った佑樹さんは、母親が自分がやりたい仕事より、家事と育児を優先できる仕事を選ばざるを得なかったことを残念に思っていました。
 「母が感じた悔しさを、彼女には味わってほしくなかった。結婚し、子どもを持ったときも家事育児は夫婦で協力し、互いのやりたい仕事に挑戦し続けたいと思いました」(佑樹さん)
 千佳さんは、おかげで社会人2年目で結婚を決めた時も、妊娠がわかった時も、キャリアが制限される不安を感じることはまったくありませんでした。

家事と育児は、あえて役割分担しない

 千佳さんが育児休暇から復帰する直前の2か月間は、佑樹さんも育児休暇を取得しました。この期間、佑樹さんはできる限り息子と過ごして育児のスキルアップを図り、千佳さんは作品制作やセミナー参加などで現場の勘を取り戻しました。
 ふたりは家事育児で、あえて明確な役割分担はしないでおこうと決めました。どちらか一人だけでも回せるよう、わからないことやできないことがないようにしようという考えからです。
 「ただ子どもが大きくなると、『ママじゃなきゃイヤ』と言われることも増えてきたので、最近の夫は保育園の送り迎えや寝かしつけなど体力や時間をとられがちな仕事を主に担ってくれています」(千佳さん)
 それでも佑樹さんには、育児のシェアが十分でないという思いがあります。「動く」ことはできていても、「考えて目配りする」作業は千佳さんに偏っていることに気がついたからです。
 「通勤時間に私はスマホで新聞を読んでいますが、妻は子ども服を探したり夕飯の献立を考えたりと、目に見えないところで家事育児を担っているんです」
 そこで最近は、佑樹さんも掃除、洗濯といったわかりやすい家事だけでなく、息子の爪や髪が伸びていないかを確認するなどして、目に見えない小さな作業をみつけてシェアすることを心がけています。

お互いの「勝負時」には徹底したフォローを

 仕事には「平常運転時」と「勝負時」があるものです。佑樹さんが重要な仕事に追われていた頃は、千佳さんが家事育児を多めに担い、夫のふんばりどころを支えました。
 その後、千佳さんにもその時がやってきました。宿泊を伴う出張が増え、多い時には月3回、全国を飛び回ったことも。
 「出張を断る選択肢もありましたが、責任を全うしたかった。夫が全面的に支えてくれたので、ベストを尽くすことができました」(千佳さん)
 社会人としては、佑樹さんが4年先輩です。シンクタンクの研究員としてメディアで発言する佑樹さんは、千佳さんにとってずっとまぶしい存在でした。
 「私も早く彼のように、社会にインパクトを与えられる仕事をしたい。彼と一緒なら、結婚も出産もキャリアの壁ではなく力にできると思えるんです」

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
夫が運営するサイトを妻が訪れていたのがきっかけ。
Q
初デートは?
A
夫は東京、妻は地方の大学に通っていたが、妻が住んでいた地域に夫が出張することになり、会おうということに。そのまま遠距離交際がスタート。
Q
結婚への道のりは?
A
夫は、「つき合うなら、結婚が延長線上にある」と交際当初から妻に告げていた。妻が就職して、東京への転勤がかなったことを機に結婚。
Q
家族構成は?
A
長男(2歳)と3人暮らし。
Q
家計と家事の分担は?
A
家事はほぼ半々、あえて厳密な役割分担はせず、できない家事育児が無いよう共有することを意識している。家計は生活費のみを折半し、収入が増えたらその分自由に使えるお金も増えるようにしている
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
家族で水族館やショッピングモール、児童館に出かけることが多い。休日の外出や保育園の送り迎えには都営バスをフル活用。

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