24時間、仕事もプライベートも一緒のふたりTOKYO FUTARI

山崎豊さん(39歳)(仮名) 陽子さん(45歳)(仮名)長男(4歳)

妻が夫の起業を後押し

 山崎さん夫妻は、文具を開発販売する会社をふたりで経営しています。豊さんが管理や営業を担当し、デザイナーの陽子さんが商品開発やデザインを担います。
 起業のきっかけは10年前、当時フリーライターだった豊さんの仕事がリーマンショックの余波で激減したとき、陽子さんが「会社でも作ったら?」と声をかけたことでした。
 「なにもやる気が起きず寝込んでいたのですが、その言葉を聞いた瞬間、ベッドから飛び起きました。なんだか生まれ変われるような気がしたんです。以前、ふたりで『会社を作れたら面白いね』と話し合っていたことを思い出したのです」(豊さん)
 会社勤めのデザイナーだった陽子さんを巻き込み、オリジナル文具のメーカーを立ち上げました。まもなく陽子さんは勤務先を退職し、豊さんが始めた会社の仕事に集中することに。
 「一緒に仕事するなんて考えたこともなかったけど、お互いの得意分野や感性を掛け合わせていくのが面白くて。私のアイデアを形にして広めてくれる彼の手腕に、安心して頼ったり任せたりできるようになりました」(陽子さん)

周囲に驚かれて気づく、「24時間一緒の生活」

 都内の自宅兼事務所で、同じ作業机を共有して仕事をするのがふたりの日常です。まれに個別に打ち合わせに出かけることがある以外、ほぼ24時間一緒。食事も3食を共にしています。
 それでもふたりは、「当たり前になり過ぎて違和感はない」と声を揃えます。周りの人に驚かれたり、「窮屈じゃない?」と聞かれて初めて「普通じゃないのか」と気がつくのだそうです。
 仕事とプライベートをドライに切り分けることもしていません。
 「仕事で協力することで精神的に満たされることもあるし、プライベートで良い関係ができていることが良い仕事につながることもある。ただ、夫婦であることは私たちの都合で取引先やお客様には無関係なので、仕事中は襟を正すことを気をつけています」(豊さん)
 休日は育児担当を決めて、順番に「ひとりで自由に過ごす日」を設けています。これは一人になりたいからというより、互いに好きなことをして過ごすのが目的です。陽子さんはショッピングや美術館めぐりを楽しんでいますが、豊さんが何をしているかは知らないのだとか。
 「平日の行動を100%把握している分、それ以外の時間に何してるかなんて特に興味もないですね(笑い)」(陽子さん)

ベースには「敬意」、ケンカはしても論破はしない

 24時間一緒なのに、ケンカはほとんどしないという山崎さん夫妻。その理由を尋ねると、ふたりからは異なる答えが返ってきました。
 「私が夫に感じる不満は『進んで家事をしない』ことだけなので、対策はシンプル。面倒だけど、『ゴミを出して』とか『洗濯物たたんで』といちいち口に出して頼むことで解決しています」(陽子さん)
 「意見が食い違うことはしょっちゅうですが、言い負かしたり論破することはしません。互いへの敬意がベースにあるからかな?」(豊さん)
 妻がゼロから1を生み出し、夫が10まで膨らませる。ビジネスパートナーとしてもお互いを尊敬し合うふたりの毎日は、新しいアイデアで満ちています。

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
コーヒーショップのコーヒーの淹れ方セミナーで同席、当時ライターだった夫が妻にイラストの仕事を依頼し、交際に発展。
Q
初デートは?
A
東京ビッグサイトで開かれていたデザインフェスタへ。面白いと感じたものについて「面白い」と口に出し、価値観が近いことを確かめ合うような時間だった。
Q
結婚への道のりは?
A
交際1年後に夫がプロポーズ。妻は「この人と一緒なら何か楽しいことが起こりそう」と承諾。
Q
家族構成は?
A
夫30歳、妻35歳で結婚。長男(4歳)と3人暮らし。
Q
家計と家事の分担は?
A
夫は保育園の送りと息子のお風呂や遊び相手、妻は家事全般を担当しながら夫に具体的に依頼もする。
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
息子を連れて公園へ。マンネリにならないよう、行ったことのない場所を積極的に開拓するようにしている。

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