シェアハウスのメンバーと家族のように過ごすふたりTOKYO FUTARI

矢野和弘さん(33歳)(仮名) 有美さん(31歳)(仮名) 長男(2歳)

育児と仕事の両立に奮闘するも…

 矢野さん夫妻は夫婦で起業しており、和弘さんは建築デザイナー、有美さんはコンサルタントとして活躍してきました。起業1年目で妊娠、出産。子どもが生まれてからは、それまで通りの働き方はなかなかできません。和弘さんは出張が多いことから、有美さんが長男の面倒を見る時間が多くなりました。
 「対等なビジネスパートナーだったのに、置いてけぼりになってしまう」。子育てと向き合う中で、仕事との両立に奮闘しながらも、焦りを感じていた有美さん。昔から一生懸命で真面目な性格。頑張りすぎているのではないかと心配した和弘さんは、保育園の送り迎え、遊び相手や食事、お風呂、寝かしつけまで、積極的に育児に携わるように。とはいえ、仕事柄出張が多く、「自分がいないときでもひとりで抱え込んだりせずに、気持ちに余裕をもって楽しく子育てにも仕事にも向き合ってほしい気持ちがずっとあった」と話します。
 そんなとき、和弘さんのかつてのビジネスパートナーがシェアハウスを立ち上げたという情報が舞い込みました。自宅でも会社でもない、助け合いながら子育ても仕事もできる第三の拠点を持つことに魅力を感じた有美さんから、「入居したい」と相談された和弘さんは、信頼している友人が立ち上げたシェアハウスであること、そして有美さんが望むことは最大限実現してあげたいと考え、賛成しました。

 

「60人の家族」と協力しながら子育て

 結果、矢野さん夫妻は親子3人で生活する住まいに加えて、シェアハウスという別の生活拠点を構えました。親子3人が揃う日は自宅で、和弘さんの帰りが遅い日や地方出張の日は、有美さんは長男とシェアハウスで過ごします。
 自宅で幼い子どもとふたりでいると食事の支度もままならないこともありますが、ここでは誰かが相手をしたり、見守ったりしてくれます。その分、有美さんもシェアハウスにいる「家族」が一緒に食べられるよう、大きなお鍋で食事を用意しています。
 「ここではみんなに協力してもらいながら子育てができる。家で子どもとふたりきりだとゆとりがなくなることもあるけれど、ここにくると安心して心身に余裕が生まれる気がします」(有美さん)
 和弘さんはシェアハウスというもうひとつの拠点を持ったことで、有美さんが子育てと仕事をいきいきと楽しそうに両立している姿をみて安心したと話します。

  

周りとの関係を深めることで、夫婦二人も成長していく

 夫婦で話し合ってもなかなか答えが出ない問題というのもあるものです。そんな時、和弘さんは「シェアハウスで話そう」と誘い出します。「周りに人がいると建設的なコミュニケーションができるし、異なる視点の意見ももらえる。実際、それで解決したこともあります」(和弘さん)。和弘さんもシェアハウスによく遊びに行き、住人とのコミュニケーションや周りの助け合いの輪に加わっています。
 有美さんはシェアハウスのメンバーが助け合いながら小さな「価値」をやり取りすることが、とても気に入っているそうです。
 「だれかが30分子どもを見てくれたら、私には1時間以上の価値に感じることもある。いろんなことで助け合うたびにやり取りする価値が膨らんで、みんなが『黒字化』できていることを実感できるんです」

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
妻が会社員時代、仕事で訪れた大学の研究室に当時大学院生の夫がいた。
Q
初デートは?
A
「3Dプリンタを組み立てるから手伝って」と誘われて、妻が夫の自宅を訪問。途中、部品のセメントを焼くオーブントースターが必要になり、一緒に新宿まで買いに行った。
Q
結婚への道のりは?
A
夫に交際を申し込まれた妻が、「結婚する人としか付き合わない」と告げると、「じゃあ結婚しよう」と夫が答えた。
Q
家族構成は?
A
長男(2歳)と3人暮らし
Q
家計と家事の分担は?
A
子どもの寝かしつけやお風呂、遊び相手など夫は在宅中ほとんどの育児を担う。家事は主に妻の担当。
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
カーシェアリングを利用して家族でドライブ。お気に入りの場所は天王洲で、運河沿いで息子を遊ばせたり、船を見たりして過ごす。

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